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量子情報科学とかその辺。

量子力学の入門(1)

1 『なるほど量子力学I』を読む。

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 今学期研究室に新しく加わった方がいたので、上記の本を輪読して意識の共有を図ろう!ということになった。バックグラウンドが物理(物理工学や応用物理というと伝わりやす人も多いだろうか)ではなく情報系の人が多めなので研究室に入ったばかりの頃は量子力学に関してはからっきしという方も多めなので入門書寄りのこの本を選んだ。この本の著者の村上先生は超電導が専門で、幅広い分野への造詣が深い。先生は量子力学以外にもフーリエ解析複素関数などの本も出していらっしゃるようだ。パラパラとめくって見たところなかなか丁寧な説明が多かったので時間があるときにでもそちらを読んで見たいな、と思った。
 さて、章立てを見て一つ驚くことがあった。この本は、行列力学から量子力学に入っていくのだ。今まで私の読んできた本では、波動関数→行列(→経路積分?)という入り方が大変多かったので驚いてしまったのだ。とはいえ、量子情報科学(量子計算や量子通信)をこれから勉強する人は行列に触る時間の方が長くなる可能性は高いし、これはこれで考えられているのかもしれない。  様々な理論が様々な視点(学派と呼ぶ人もいるのかもしれない)によって考えられた後にそれを統一するような理論が出てくることも物理学の醍醐味なのではないかな、と思ったりもする。(量子力学だとハイゼンベルグの行列力学シュレーディンガー波動力学の等価性が示されたり)ともかく、非常に楽しみである。

2 『ファインマン物理学』

ついでに、私がこの道を志すことになった本とも言える量子力学の名著を紹介しておこうと思う。私は高校生の時に背伸びをして誕生日プレゼントに買ってもらって読んだ。あまり真面目に勉強していなかった私だが、この本で物理は面白いものだと確信した。 この本はカリフォルニア工科大学でのファインマン先生の講義を元にして書かれている。全5巻ですぐに読めるものでもないが、部屋に置いておくと非常に刺激を受けることができるだろう。尚、英語版はネットで無料公開されている。

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